○越智委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。前原誠司君。
○前原委員 おはようございます。国民民主党の前原でございます。
コロナの感染拡大がまた深刻な問題になっておりますので、この問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。GoToトラベルを中止をされるということを、まあこれは条件次第ということでありますけれども、菅内閣総理大臣が明らかにされました。まず、お伺いします。
このGoToトラベルの中止を決めるのは誰ですか。国か、都道府県知事か、お答えをいただきたいと思います。
○岩井副大臣 前原委員にお答えをいたします。GoToトラベル、決定をするのは誰かというお話でありますが、まず基本的に、専門的な知見がございまして、そこの御意見については、提言という形で、まず分科会から国がその提言をいただきます。それを含めまして、必要な見直し等がある場合については、各都道府県としっかりと調整をさせていただくというスキームになっております。以上でございます。
○前原委員 では、重ねて質問いたしますが、当初、今おっしゃったことと違う形で東京都が外されましたけれども、その理由は何ですか。
○岩井副大臣 お答えをいたします。違うスキームというよりは、当時、まだ感染症の状況がわからないような状況であったこと、また、現在は感染症対策、国民にある程度行き渡ってきているということがございますが、当時はまだそのようなことが、なかなかまだ行き渡っていない等、さまざまな要因がございまして、そのような判断になったかと思います。
○前原委員 全くわかりませんけれども。とにかく、知事会からは、国の判断が大事である、そしてまた、地域の指定除外を含めたきめ細かな対応ということが言われているわけでありますので、私は、初めに東京を外したこととそして今回は、今の答弁とは矛盾があると思いますよ。したがって、今後のことをしっかりと国と都道府県で話し合い、そして、きめ細かな対応を地域ができるように取り組んでいただきたいと思います。
二つ目、キャンセル料は国で持ちますか。
○岩井副大臣 前原委員にお答えいたします。旅行者がキャンセルを行いやすい環境を整えるということも考えなければいけないと考えております。旅行者に請求しないよう宿泊事業者等に対して要請するとともに、旅行者からキャンセル料を徴収しないことに伴う宿泊事業者等の負担について、本事業の予算で対応しようということでございます。つまり、キャンセル料はいただかないということでございます。
○前原委員 そもそも国は、GoToトラベルによって感染は拡大していない、こういうスタンスだったと思います。現時点で把握されている人数で結構ですが、GoToトラベルによって感染者は何人出ていると政府は認識されていますか。
○岩井副大臣 お答えいたします。
旅行者のうち、GoToトラベルによる割引をした者は、百八十七人ということでございます。
○前原委員 それは、いつの時点ですか。
○岩井副大臣 十一月の二十三日の時点です。
○前原委員 GoToトラベルを中断する、地域によっては中断する、そして、都道府県とちゃんと国が調整をされる、大事なことだと思います。しかし、今政府が把握されている数でありますと、二百人に満たない数ですね。ということは、感染拡大をしている中でGoToトラベルを仮に全部をとめたとしても感染拡大はとまらないということになるわけでありまして、このGoToトラベルに何か関心が集中しているようなことでありますけれども、新たな重症者は過去最多になっています。そういう意味においては、医療機関の逼迫というものも極めて大事なことでありまして、GoToトラベルをやめたら感染拡大が収束するのではないという認識なのか、そうしたら、その今拡大しているものに対して、GoToトラベル以外にどういった対応をとればいいと考えているのか、お答えください。
○岩井副大臣 お答えをいたします。科学的知見というものが大変重要かと考えておりますが、今般、分科会によりまして、先週の二十日金曜日に分科会が行われまして、その中においては、GoToトラベル事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しないという、そのような、御提言の中に盛り込まれているところであります。我が省といたしましては、そのあたりもしっかりと把握しながら、適切な対応を図っていきたいと思います。
○前原委員 今、だから、国交副大臣が答弁される答弁ではないんですよ。政府全体として、GoToトラベルがいわゆる感染の一部だとすれば、それに、何か、GoToトラベルをとめれば感染拡大がおさまるような雰囲気ではないのではないかということを申し上げているわけです。その認識が正しいのかということと、では、どうやって、過去最多に重症者がなっていて、感染拡大がとまらない状況を政府としてとめようとされているのか、お答えください。
○越智委員長 答弁できますか。
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○越智委員長 速記を起こしてください。
山本厚労副大臣。
○山本副大臣 前原委員にお答え申し上げます。この感染防止拡大と経済の両立をどう進めていくかということで、感染対策の分科会におきましてもこのことを議論してまいりました。その中で、やはり医療の体制であるとか感染の状況を防ぐためにも、今の現状の中でしっかりと対応していく中で、分科会としてもこうした提言をしたわけでございます。その意味で、今の感染状況に関してしっかりと対応していかないといけないということで臨んでいる次第でございます。
○前原委員 だから、そのしっかり対応するは何をするんですかと聞いているんです。GoToトラベルをやめれば感染拡大がおさまるのではないということを、国交副大臣の数字からは明らかですよね。となると、今の感染拡大の状況というものは、GoToトラベル以外にしっかりと対応策をとらなければいけないということは、多くの方々の共通の認識だと思いますよ。それについて御答弁をくださいと言っているんです。
○赤澤副大臣 コロナ担当の副大臣として、ちょっとお答えをさせていただきたいと思います。まず、認識は、分科会から出た提言というのは、この今感染拡大が広がっている状況、これを踏まえて、短期間に、例えば三週間、重点的にリスクが高い分野に絞って手を打てという提言をいただいて、それを受けて政府が対応を今考えているということなので、このGoToトラベルについて言えば、それが直接的に感染を引き起こしたという部分について多くはないわけでありますけれども、それ以外の部分についても、政府としては、例のリスクの高い五つの場面ということを考えながら、より更に対策を強めてくれということで、GoToトラベルに限ってだけお願いしているわけではないということは申し上げられるというふうに思います。
○前原委員 地方に任せるという話ですよね、今の話だったら。政府として、全体として何かをやるということではないというふうに認識をしました。
では、地方にしっかりやってくれと言うのであれば、しっかりとしたやはり私は資金を提供することが必要だと思いますよ。第一次、第二次の地方創生臨時交付金だけでは足りないと思います。財政調整基金はもう枯渇をしているというところはたくさんありますけれども、地方に対する財政支援、まだ予備費はかなり余っていますね。七兆二千七百八十億円余っているということでありますが、更に地方に対する支援をされるべきだと思いますが、いかがですか。
○三ッ林副大臣 お答えいたします。今般の感染拡大に対応するため、第二次補正予算において留保分としていた地方創生臨時交付金の五百億円について、国の一定の関与のもとに地方公共団体が感染防止に効果的なエリア、業種限定の営業時間短縮要請等を行って協力金等を支出する場合に、当該地方公共団体に対して、協力要請推進枠として地方創生臨時交付金を追加配分することといたしました。これにより、地方公共団体による機動的な対応を支援することとしております。また、感染拡大が厳しい状況にある地方公共団体において、まずはこの協力要請推進枠を御活用いただいて対応に当たっていただきたい、そのように考えております。
○前原委員 五百億円で十分だと思われますか。
○三ッ林副大臣 まずはこの五百億円で、この二次補正の留保分としていた五百億円、そしてまた、前原委員がお話しされました予備費の七・二兆でありますけれども、これは、今後、三次補正も考えて、そして必要なところに回していきたい、そのように思っております。
○前原委員 お願いいたします。厚生労働副大臣に二つ伺いたいと思います。一つは、第一次、第二次補正及び予備費で約二・七兆円の医療に対する支援が行われているわけでございますけれども、一般的に言われているのは、コロナ患者を受け入れるところにかなり重点的に配分をされていて、感染リスクが高いかかりつけ医あるいは歯科医、こういったところに対しての支援はかなり少ない。
私の分析では、もちろん明確に切り分けることができないんですが、二・七兆円のうち、一般の診療所あるいは歯科医などに配られるものは二千五百八十九億円ということで、かなり少ないですね。
やはり、こういったところにも、もちろんコロナを受け入れてくれるところに対する支援も大事だけれども、一般の医療機関、歯科医療機関に対する支援が必要だと思いますが、いかがですかということと、もう一つは、これだけコロナが感染拡大をし、先ほど赤澤副大臣からも御答弁がありましたように、これから地方に対してさまざまな取組を要請していくということになっていけば、休業要請とかあるいは時短要請というものをされていくと思うんですね。そうなると、やはり、雇用調整助成金、今の特例措置、これは更に延長するということが必要になってくると思いますが、この二点についてお答えをいただきたいと思います。
○山本副大臣 前原委員にお答えいたします。今御指摘がありました医療機関の診療の体制といいますか財政状況というのは、御指摘のとおり、八月はマイナス三・七%でございましたけれども、一番減少したのが一二・九%ということで、回復傾向はございますけれども、まだまだ戻り切っていないという状況がございます。その意味では、医療機関の体制をしっかりとしていく上で、予備費一兆二千億円と補正予算一兆八千億円、加えて体制をしております。
今御指摘のとおり、感染拡大防止事業で二千五百八十九億円をされておりますけれども、それ以外に、直接国から支援をする発熱外来診療体制で二千百七十億円、この支援を予備費から対応している状況でございます。
その意味では、感染状況とかまた地域医療の実態も踏まえて、医療機関ごとの体制というのはまだまだこれからでございますので、しっかりと検討していきたいと思う次第でございます。また、雇用調整助成金に関しましては、さまざま、産業界等からも延長の要望等もございます。
一方で、働く方のモチベーションの問題ということで、長く続けるということの副作用ということの御意見もあるわけでございますけれども、この要望に関しましては、この一月以降の取扱いに関しましては、雇用情勢を見据えてしっかり判断してまいります。また、そのためにも、企業が今後、雇用を含めた経営戦略を立てられるように、できるだけ早急に方針をお示ししてまいりたいと思います。
○前原委員 終わりますけれども、一般医療への支援の強化、そして雇用調整助成金のさらなる延長、これをしっかりやっていただきたいということを申し上げ、また、梨副大臣には、来ていただきながら答弁の機会がなかったことをおわびをして、質問を終わります。