○坂井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。前原誠司君。
○前原委員 それでは、まず財務大臣にお伺いをしたいと思いますが、消費税の引上げについてでございます。まず、現行の事業者免税点制度つまりは免税業者について質問したいと思いますが、現在この免税事業者というのは大体数でいうとどのぐらいあると財務省は見ておられますか。
○麻生国務大臣 平成二十九年度におきます消費税の課税事業者数は、個人事業者、法人合わせて三百十七万社と理解しております。消費税の免税事業者数については、消費税の申告を行わないため、財務省として数を把握はしておりませんけれども、総務省の平成二十七年国勢調査等をもとにして機械的に試算をいたしますと、四百八十八万社と推計をされる。あくまでも推計であります。
○前原委員 四百八十八万社が推計されるということでございますが、どういう職種が多いか、大臣、お答えいただけますか。
○麻生国務大臣 業種別の免税事業者数につきましても、これは同様に機械的な試算ですけれども、総数約四百八十八万社のうち、サービス業の関係者が三五%、農林水産業関係者が一八%、建設業関係が一三%、小売業関係が一〇%と試算をされております。
○前原委員 一千万円以下の売上げであれば免税業者となる、これは二年前ですね、一年前ではなくて二年前でありますけれども、一千万以下ということは、その業者が一千万円を超えるかどうか、もちろん計算してやっている業者さんもあるかもしれませんが、一応消費税を取った上で、そして、一千万円以下であれば、消費税を取っていたとしてもそれについては納めなくてもいい、こういうことでありますが、益税というのか、あるいは、消費税として取ったのに納めていない税金というのはどれぐらいあるというふうに財務省は見ておられますか。
○麻生国務大臣 ちょっとそれに関しての推計、統計を持っているわけではありません。
○前原委員 私も事務方から伺ったときには、わかりません、こういうことでありました。
今後、消費税を引き上げるに当たって、一度財務省として、そんなにすぐにということではありませんが、一度ぜひ推計をしていただきたいというふうに思います。
というのも、これから質問させていただくことにかかわるんですが、二〇二三年に、十月からインボイスというものが導入されるということであります。適格請求書制度が導入されるということでありまして、売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税率などを伝える手段ということで、現行の請求書などの記載事項のほか、税率ごとに合計した対価の額、軽減税率の対象品目である旨、消費税額など、適用税率、登録番号、こういうものが書いてあるのがインボイスということでありますが、この登録番号というものは、課税業者でなければ登録を受けることができないということになっておりますけれども、なぜ免税業者は登録を受けられないんでしょうか。
○麻生国務大臣 免税業者が登録をされていない理由は何かというのは、多分、今まで税の対象になっていなかったから多分今までなかったんだと思いますけれども、少なくとも、今後それをやられるというのであれば、それなりの登録をしていただかないかぬ。ただ、これは前原先生、それこそ何十年ずっと同じ商売をしておられて、ええっ、うち、そんなにあったのという方もいらっしゃるでしょうし、いろいろなことになりますから、そういったものに関しては少々時間をいただかぬと、それは事業者の人にとってもとても迷惑でしょうし、失礼ですけれども、その辺の魚屋さんとか八百屋さんでかごの中にはいといってお釣りをばんばんやっているようなところに消費税とかインボイスとかなんとか言われても、とても対応できるような話にはならぬと思っていますので、それにするには少々時間をいただかないと業者の人も迷惑されると思っておりますので、かなりの時間を、いろいろなあれをやらせていただいて、四年たったり五年たったりいろいろ時間をかけてやらねばならぬところだと思っております。
○前原委員 少しかいつまんで話をしますと、私が質問した意味は、免税業者、つまり、先ほど質問をした、今でしたら推計四百八十八万社については登録できないんですね。つまりは、課税業者でなければ登録できないという法律のたてつけになっているわけです。私が伺ったのは、なぜ免税業者は登録を受けることができないんですかと聞いているわけです。
これは、また消費税については何度か質問をいたしますので、まだ消費税率、税法についての議論がありますので、そのときにお答えください。
私の問題意識は、これは通告してあるのでぜひお答えをいただきたいんですけれども、例えばAという業者があって、Aという業者がBという業者から仕入れる。このBという業者が一千万円の売上げがない。二〇二三年十月以降、このBという業者はインボイスを発行できないわけですよ。
つまりは、免税事業者は登録できない。ということはインボイスを発行できないですね。インボイスを発行できなかったら、Aという業者は、言ってみればその業者からインボイスを受け取れませんので、結局損をする形になるわけですので、結果的に、Bという業者を排除するか、Bという業者が課税業者にならないと、つまりは、Bという業者でなくて違うCという業者、つまりはインボイスを発行できる業者を仕入れ先に選ぶか、あるいは、Bという業者が取引を続けたければ、一千万円以下であっても課税業者になれば、課税すれば登録できるわけですよ。つまりは、これは本会議で共産党が質問をされていましたけれども、このままいくと、いわゆる免税業者が排除されることになるわけです。これはわかられますか、大臣。
こういう、言ってみれば、免税業者がインボイスを発行できない、なぜなら登録できないから。
先ほど伺ったのは、なぜ登録できないんですかと伺ったわけです。それについては後日で結構ですが、仕入れ業者が排除されるわけですね、インボイスを発行できないから。そうすると、免税事業者は、言ってみれば仕入れ業者になれないということで仕事からはじかれる可能性がありますね。
これをどうお考えになりますか。
○麻生国務大臣 まず、御指摘の点ですけれども、この制度というものは、これはまずは、複数税率の制度のもとでは適正な課税を行うためにはこれはぜひ必要なものだったと考えておるんですが、今おっしゃったように、業者にとりましても、税額を明確にするということから、価格転嫁も行いやすくなるといったメリットがあるんだと思っているんですが。
他方、今言われましたように、この制度を導入すると、いわゆる免税事業者が取引から排除されるのではないかということを懸念することがあるんだということを承知をしておりますが、顧客が消費者である場合は、小売業者にインボイスの発行を求めることはまずありませんから。買う方が、小売業者から消費者が買うという、BツーCの話なんですが、個々の面で事業者に影響が、これはさまざまなんだと思いますが、政府として、これは、従来の免税事業者というものが課税事業者への転換の要否を見きわめながらということで、四年間という準備期間を設けることに加えまして、更に六年間、免税事業者からの仕入れについては一定の仕入れ税額控除を認める、合計十年ということにさせていただいております。
また、課税転換する事業者のいわゆる事務負担については、これは、いろいろ細かい計算が出てきて大変だというので、レジの補助金を拡充するとか、インボイスにも対応できる機能改修というものに対する支援も行うなどして、課税転換に対する事業者にしっかり支援をしてまいりたいと思っているんですが。
インボイス制度の導入後において、引き続き、事業者は、簡易課税制度というものを選択するということが可能であります。加えて、簡易課税事業者は、仕入れに係るインボイスの保存というものを必要としませんので、簡易業者の場合は。したがいまして、簡易課税制度を利用すれば、いわゆる課税転換による事務負担というものは、事業者を含めて大きく軽減されるのではないかと、いろんなことを考えているのが現状でありまして、まだまだもっといろんなところもあるのかもしれませんけれども、この十年間の間に、私どもとしては、きちっとした対応をさせていただければと思っております。
○前原委員 最後の質問にいたしますけれども、大臣に対しては。いわゆる事業者免税点、つまりは、免税業者についてはだんだんだんだん少なくしてきた経緯があるわけですね、これは御存じのとおり。三千万円から一千万円に引き下げたり、いろんな言ってみれば条件を付して、そして減らしてきた経緯があるということなんです。
私が伺いたかったのは、いわゆるインボイスを導入するということになると、免税業者は登録ができませんと。だけれども、免税制度は残すわけですね。そして、先ほど大臣が答弁されたように、十年かけて、足かけ十年かけて、いわゆる経過措置を設けるわけですね。平成三十五年の十月一日から三年間は仕入れ税額相当の八〇%、それからその次の三年間は五〇%ということで、十年かけて言ってみればインボイスというものを導入するということになると、果たして免税業者を残すことの意味があるのかどうかということなんです。
つまり、先ほど申し上げたように、一千万円以下の方々は、消費税を取っているのを払っていなかったわけですよ。払わなくてよかったわけですね。それはいかがなものなのかということがあるわけです。そして、それを目指したものであるかどうかは別として、要は、インボイス制度というものを導入するということになれば、結果的に仕入れから外される可能性がある。そうすると、一千万円以下でもいわゆる課税業者になる。そして、簡易課税ということをおっしゃいましたけれども、簡易課税ということは課税するということですから、要は課税業者に移行させようということですよね。
もちろん、中小業者に対する配慮というものは十年かけてやるということなんでしょうけれども、方向性としてはどんどんどんどん、いわゆる免税事業者を縮小するという話だというふうに思いますので、私は、今度また伺いますけれども、免税業者をなぜ残したのか。つまり、これをやるのであれば、経過措置を設けてなくすという選択肢もあったはずなのに、免税業者は残して、しかし、また縮小していくという、私からすると極めて中途半端なものになっているということなんですね。もともともらった税を払っていない人たちです。
そういうものを縮小していくという方向性については、もちろん、小規模事業者の現状に配慮をしながらやるということは大事でありますけれども、そういうものをなくしていくということについて、インボイスをやるのであれば、いいか悪いか、賛成するか反対するかどうかは別にして、理にかなっているわけですよ。ですから、私は、これは中途半端だというふうに思っているわけです。何か御答弁ありますか。
○麻生国務大臣 これは、前原先生、なかなか意見の分かれるところだと思いますね。すぱっとやっちゃう、時間をかけてすぱっとやっちゃう、時間をかけて縮小してある程度残す。今三つ申し上げましたけれども、今、私どもはその三つ目の選択をさせていただいておるんですけれども、その結果、四百八十万社がいきなりぱっとどれくらい減るかというのをちょっと見た上で、何だたった五万しか残らなかったじゃないかとか言われるんだったら、その段階でまた別のことを考えないけませんでしょうし、その経過を見ながら、ちょっと考えさせていただかないかぬので、私が死んでからぐらいのことになるのかもしれませんけれども、そのころにちょっともう一回考えないかぬことになるのかもしれませんが、今、取り急ぎはそういった形でやらせていただこうと思っております。
○前原委員 またこの議論はさせていただきたいと思います。黒田総裁に質問させていただきたいというふうに思いますが、イールドカーブ・コントロールというものを導入されて、それでも年間八十兆円という国債の対前年度比のネット増というものをやっていくということはおっしゃっているわけでありますが、かなり今、足元は減っておりますね。
三十六・九兆円ぐらいだと思います。つまりは半分を割り込んでいる。短期も入れると二十兆円台に落ち込んでいるというふうに思います。それだけ買う量が減っていっているわけであります。
それで、イールドカーブ・コントロールということで、このプラスマイナス約二倍ということで、〇・二五のプラスマイナスを、長期金利、十年物の国債の金利をターゲットにゼロにするということで、プラスマイナス〇・二五ということだったというふうに思いますけれども、今また金利が下がっていますね。十年物についてはマイナス金利になっているというふうに思っております。
さて、時間もきょうは限られていますので、端的に一つまずお伺いしたいのは、去年の十二月にそういった日本の状況のもとでFRBが方針を転向しましたね。言ってみれば利上げをやめる、こういう形になりました。そして、恐らく市場ではことしは利上げはないんではないかというふうに見られていますし、フェデラルファンドレート、FF金利先物ですね、これについては、今、アメリカの長期金利は二・六五%ぐらいだと思うんですが、FFですともう二から二・二五になっているということは、市場は、利下げするんじゃないか、つまりは、利上げなしから、ことしは利上げしないどころか、来年からは利下げをするんじゃないか、こういうふうに見ているということでありますが。
まず、総裁の、このいわゆるアメリカの長期金利の動向、それからパウエル議長の言ってみれば方針転換、これをどのように見ておられるかを御答弁いただきたいと思います。
○黒田参考人 御指摘のFRBの金融政策につきましては、あくまでも米国の経済、物価動向などを見きわめながら金融政策を運営されているというふうに認識しておりまして、そうしたことは、基本的には米国経済の持続的な成長に資するものであって、また、我が国を含めて、米国以外の経済にとっても好ましいことであろうと考えております。
ただ、各国の金融政策を含めた政策運営が国際金融市場あるいは世界経済に及ぼす具体的な影響というものは、やはりその時々の経済情勢あるいは市場環境によって異なり得るわけでして、現に、委員も御承知のとおり、昨年の末からことしの初めにかけて、国際的に金融資本市場が大きく変動したことがございました。
したがいまして、FRBの金融政策に限らず、さまざまな各国の政策運営がマーケットというか金融資本市場に与える影響については、常に注意深く点検して、そのもとで、我々として最も適切な金融政策運営に努めてきておりますし、今後ともそういうふうにしてまいりたいと思いますが、御指摘のとおり、FRBは、特にことし入って、バランスシートの調整についても、さらには短期金利の引上げの点についても、従来よりももう少し慎重な言い方をしておりまして。その背景には、まさに米国の物価が非常に落ちついている、それから、成長率は、去年三%ぐらいの成長だったわけですが、ことしは多分二%台半ばあるいは前半といったように若干減速しているといったような状況、さらには、中国、ヨーロッパの経済の減速ということなども踏まえてとられたことであろうと思って。それ自体は、米国にとって、経済や物価を、状況を踏まえて適切な判断をしておられると思うんですけれども、日本を含めた世界の経済、あるいは特に国際金融資本市場に与える影響については、やはり注意深く見ていく必要があると思っております。
○前原委員 FFレートの先ほど数字を申し上げました。今の二・六五よりも低い金利で取引がされているということになると、いわゆる利下げの可能性があるわけですね。FRBというのはテーパリングを行ってきて、そして利上げを行ってきた、そして不景気に備えてのいわゆる金融政策の余地を残してきたということだと思います。ECBについては、いわゆる資産の買入れをやめた、利上げまでは行っていませんけれども。こういうことだと思います。
しかし、世界経済がおおむねいい状況の中で、日本だけがずっと金融緩和を続けているわけですね。そのときに、後でその問題点について幾つか申し上げますけれども、アメリカが利下げをしてきた場合において、要は、日本は、今のままであると金利差が縮まる可能性がありますね。金利差が縮まると円高という形になる可能性が出てきますけれども、そういう場合においては追加緩和というものを行うという選択肢があるのかどうなのか。後で申し上げますけれども、ETFもたくさん買っている、金融機関もかなり毀損し始めている、そういう中にあって、果たして本当に追加緩和ということについて、やる政策余地があるのかどうなのか、その点について御答弁ください。
○黒田参考人 御案内のとおり、主要国、日米欧の中央銀行は、あくまでも物価の安定という国内的な目標というものを目指して金融政策を運営しておりまして、為替レート、為替相場にリンクしたような形で金融政策の運営は行っておりません。
ただ、為替の変動が経済や物価に与える影響というのは当然あり得るわけですので、そういうことも一つの要素として、市場の動向を見ながら金融政策を運営していくということが不可欠であると思っております。
したがって、金利格差が縮んで円高になって、そして景気や物価に影響が出てという、そういう単線的なロジックを踏まえるわけにはいかないわけですけれども、経済、物価に対して何らかの形で影響が出てきて、物価安定の目標を達成するために必要ということになれば、やはり追加緩和というものも検討をしていくということになると思います。
その場合には、従来から申し上げているとおり、長短金利操作つき量的・質的金融緩和を導入した際に公表したとおりでありますけれども、短期政策金利の引下げあるいは長期金利目標の引下げ、さらには資産買入れの拡大あるいはマネタリーベースの拡大ペースの加速など、さまざまな対応が考えられるとは思いますけれども、ただ、その際には、その効果とともに、金融仲介機能や市場機能に及ぼす影響などもやはりバランスよく考慮する必要があるというふうに思っております。
したがいまして、日本銀行としては、政策のベネフィットとコストを比較考量しながら、その時々の状況に応じて最適な方法を検討していくということになると思います。
○前原委員 お配りした資料、二ページをごらんいただきたいわけでありますが、「日銀の保有比率が高い銘柄」、これは、日銀はあくまでも投資信託という形で、直接的には持っていないということで公表されていないわけでありますが、こういう比率になっているということであります。
だんだんだんだん上がっていっているわけですね。そして、今、株式市場、マーケットでは、大体六割が海外投資家でありますけれども、日銀のETF買いを嫌がっているわけですね。つまりは、市場をゆがめる、こういうことであります。市場をゆがめるし、そして何よりも、こういう高い比率の保有をするということについて、企業の経営をゆがめてしまう、そういう問題もあるわけです。
何よりも、やはり官製相場ですよね。株価形成というものをゆがめてしまっている、こういうことであります。
それから、三ページをごらんいただきまして、ETFを買い続けると当然ながら簿価がどんどんどんどん上がっていくわけですね。そして、株が下がった場合のいわゆる含み損というものを大きく抱える可能性というものがある。
つまり、みずから買うことによって株価が上がるような状況というものをつくっていく。だけれども、日銀だけではどうにもならなくなった場合に、国債については自然に償還期限が来れば減っていきますけれども、株は減っていかないわけですね。そのときに大きな含み損を抱えるというリスクを抱えている、こういうことであります。四ページをごらんいただきますと、大体こういうことで、JPモルガン証券の直近の試算では、このぐらいの株価になれば日銀に言ってみれば含み損というものが生じてくる、赤字転落というものが出てくる、こういうことであります。
また、時間がありませんので、五ページをごらんをいただきたいと思いますが、どんどんどんどん金融機関の経営が悪くなっているということでありまして、金利の低下によって金融機関の経営状況が悪くなっているわけであります。つまりは、追加緩和をします、しますということを言っているわけでありますけれども、ほかの国は、景気が悪くなったときにしっかりと、その余地を残しておくためにもテーパリングあるいは利上げというものを行ってきたにもかかわらず、ずっと日銀は金融緩和をやっていって、株価をゆがめる、マーケットをゆがめる、そしてみずからの含み損というリスクをどんどんどんどん積み上げていっている、そして金融機関の経営は悪くなっているというところで、本当に、米中の貿易摩擦、新冷戦と言われるような状況というものが生まれてきたときに、日銀が政策的にやり得るかどうかというところが大きな私は問題だというふうに思います。
そういうときに、このETFを買い続けることのメリット、デメリット、それはあると思いますけれども、まだ先にこれから六兆円を積み増すことにメリットがあると本当にお考えですか、プラスマイナスを考えたときに。
○黒田参考人 このETFの買入れにつきましては、量的・質的金融緩和全体の枠組みの中で、特に資本市場におけるリスクプレミアムが過度に拡大するということを防ぐという観点からETFの買入れを行っているわけであります。その結果として株価に一定の影響が出るということは事実でありまして、特に昨年からことしにかけて株価が大きく変動した際には、ETFの買入れ自体も変動させまして、非常に増減が大きくあったわけですが、これが株価の変動に一定の歯どめをかけたことは事実だと思いますが、ETFの買入れ自体は、あくまでもリスクプレミアムの縮減ということを狙いとしておりますので、特定の株価を誘導しようというようなものではございません。
また、ETFの買入れにつきましても、個別銘柄の株価に偏った影響ができるだけ出ないように配慮しておりますので、現時点でETF買入れをやめるとか大幅に見直すという考えは持っておりませんが、全体の経済、物価の動向、さらには市場動向、そして委員の御指摘になったような金融機関に対する影響といったものも十分考慮しながら、ETFの買入れについても継続していきたいと思っております。
○前原委員 終わります。