前原誠司(衆議院議員)

日々是好日

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今こそ、政策・理念に基づいた野党結集を〜自公「一強多弱」に対抗する軸を作る〜2016/01/04

いつも、私・前原誠司の政治活動にご理解とご協力を頂き、心より厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
 近頃、色々な方から、「最近、テレビで見ないね」「大人しく、静かにしているから、心配していた」「現状、何とかしないとね」といったお声を頂戴します。気にかけていただき、感謝の思いで一杯です。それと同時に、もう一度政権与党の中核で働き、日本の構造問題を解決していく中で、苦しい時にも応援して下さっている方々、今まで支えて下さった方々に、仕事で恩返しをしたい。その思いは、一層募るばかりです。
 2度目の政権運営となった安倍内閣は、1度目よりもうまくやっていると思います。特に「アベノミクスの3本の矢」の一つである「異次元の金融緩和」というカンフル剤が功を奏し、金利を下げ、円安を誘導し、為替効果などにより株価は上昇し、企業の利益はアップしました。株価が上がると、何となく景気が良くなったのかな、と思いがちです。確かに雇用面は、正規雇用が減り、非正規雇用が増えてはいますが、総体として及第点を与えることができると思います。
 しかし、企業の利益のアップは必ずしも設備投資や賃金の上昇にはつながらず、円安誘導による輸入物価の上昇が主な要因で、実質賃金は第2次安倍内閣の33か月のうち、連続26か月間の前年比マイナス、残りの期間もゼロ近辺と低迷しています。サラリーマンだけではありません。年金で暮らしている方々にいたっては、物価や賃金の伸びよりも年金の支給額を低く抑える「マクロ経済スライド」の全面採用によって、実質的に受け取ることのできる年金額が目減り(毎年0.9%抑制)していくこととなり、生活はより厳しくなっていきます。したがって、GDPの約6割を占める「消費」は、安倍内閣の33か月で0.2%増とほとんど横ばい、実質GDPもこの33か月でわずか2.2%増とふるいません。
 しかも、円安・株高を演出している日本銀行による量的金融緩和も、未来永劫続けられるものではありません。日本銀行が保有する国債は、発行済み国債全体の3割を超え、さらに増え続けています。多くのエコノミストや金融アナリストは、「年間80兆円」もの日本銀行による国債の購入は、あと数年しか行えないのではないかとみています。さらに日本銀行による大量の国債引き受けは、「国の借金を日銀が肩代わりしているだけではないか」という強い懸念とともに、実体経済が回復する前に金融緩和の「出口」(量的金融緩和の縮小)を模索せざるを得ず、今までと逆の回転、つまり、金利の上昇、短期的には円高、そして株価の下落という悪循環をもたらす危険性があります。
 「金融緩和」と「財政出動」は所詮、景気を下支えするためのカンフル剤に過ぎず、いかにカンフル剤をうって時間稼ぎをしている間に、日本の構造問題である「少子高齢化に伴う人口減少」「莫大な財政赤字」「経済の成長エンジンの強化」に取り組むかが大切なポイントでした。
 しかし、根本問題の解決策は提示されず、今度は「新・3本の矢」と称して「名目GDP600兆円」「希望出生率1.8の実現」「介護離職者ゼロ」という、財源や具体的政策を伴わない新たな目標が提示されました。物価の目標は「2年で2%上昇」と言っていたのに、現実は取り組み始めてから2年半たった昨年9月の時点でプラスマイナスゼロ、目標年度はすでに2度も先送り。世界経済を揺るがす大きな外的要因はほとんどなく、さらに石油は1バレルが40ドル程度と、日本にしてみれば数兆円規模の「実質減税」があったにもかかわらず、経済成長率は目標達成には程遠く、内閣府や日本銀行は下方修正を繰り返しています。そして、昨年4月の統一地方選挙の前に「地方創生」というスローガンで目先を変えたように、次は参議院選挙を控えて、新たに目先を変える戦術を採ろうとしています。
 では、なぜそれにもかかわらず内閣支持率は50%前後を維持し、自民党の支持率は30%台後半、他方の民主党の支持率は10%にも満たないのでしょうか。それは私たちに魅力がないから、政権与党への批判の受け皿になりえていないからに他なりません。「民主党には期待していたのに、裏切られた」「民主党に比べれば、与党の方がまだまし」「いつまで民主党で頑張るつもりなのか」など、厳しいお声も、たくさん頂戴しています。
 これからは、二つのことをしなければならないと考えます。
 一つは、自公政権とは違う、政策の新たな対立軸を作り、国民の皆様の前に明確に示すことです。
 もう一つは、民主党の解党的出直しを行い、新たな旗のもとに野党を糾合することです。
 下野して3年が経ちました。もう一度、政権交代可能な二大政党制を作るために、チャレンジしたいと思います。
 「得意淡然、失意泰然」、そして「風林火山」を胸に刻み、「すべては国家国民のために」。支えて下さる皆様のお気持ちにお応えするために頑張る所存です。
 本年も、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。

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